コミュ障夫婦が戸建てで子育て

途方にくれた夫婦が、小さな新興住宅地で、気難し屋の一男一女と暮らしています。周りを気にし過ぎてしまうあまり、周りは気にせず楽しく暮らす!と躍起になる妻と、趣味は音楽と読書で割と色々協力的な夫の日々。

【言えない】虫歯菌問題を見える化、してみる

見えない戦い ~私の場合

 

赤ちゃんにまつわるよくあるトラブルの一つが、虫歯菌、ですよね。
保健所の指導や育児関連の書籍などでも触れられているし、今や、かなり一般的にも知られていると思います。
我が家でも、娘が生まれてから、できる範囲で気をつけてきました。

 

ですが、児童館やお友達宅など、実際のお付き合いの現場では、「虫歯菌に気をつけること」は、私にとって、なかなか大変なことでした。
娘より小さい子どもと、お箸や飲み物の共有をされているお母さんもたくさんいたし、早くからチョコや甘い飲み物を与えられている子どももいたから。

そこには確かに、「虫歯菌が…」とか言い出しにくい雰囲気がある。

 

虫歯菌や、「どんなお菓子を与えるか」もそうですが、子育てに関する考え方は、本当に人それぞれだと感じることが多かったです。
私が一般的だと思っていることが、別に一般的ではないのかも、と思いました。

 

ので、私は、「虫歯菌に気をつけているんです」は、顔見知り程度の間柄でするには、なかなか言いにくい、デリケートな言葉だと感じました。
ネットの書き込みやブログ上ではよく見かけるけど、リアル周りには、公言している人はほとんどいなかったし。

 

そんな訳で、子どもイベントでの流しそうめん、大人が膨らませた風船、などは少し気になりましたが、周りの方は特に気にしている様子ではなかったので、私も気にしていない風情で、
そうめんはさりげなく一番上流にポジショニングしたし、風船は、案の定、娘が真似して口をつけようとしたので、さりげなくやめさせたり、
人知れず、まさに見えない戦い(笑)を繰り広げてきました。

 

 

小学生の子どもが遊んでくれたときに、落ちたお菓子を一生懸命フーフーして娘の口に入れてくれようとしたことがありました。
これは、明らかに水分多め(笑)のフーフーだったので、代わりに私が頂きましたが。
「落ちたから汚いよ」と言って断れば良いんでしょうけど、相手の衛生概念を否定するのもまた結構キツイんですよね…。で、結局、自分を犠牲にして文字どおり全て飲み込む(笑)

 

あ、でも、児童館のおもちゃは、気にしてたら遊べないので、もう「聖なるもの」と思って、モロに目の前で舐めたものの共有がない限りは、特に気にしませんでした。

 

こう書くと、神経質、潔癖症みたいに思われるかもしれませんが、私自身は、昭和の子どもだったこともあり、風船にツバついてる~なんて気にしたこともないし、落としたお菓子も食べてただろうし、道端の草を噛んで味を調べる遊び、とかもしていたなぁ。

 

事件勃発!

こうして私が、日々どんなに波風立たないように、一人間抜けな戦いを繰り広げていても、波風の方からやってきます。
我が家では、それぞれの実家には、虫歯菌のことを説明して、協力をお願いしてきましたが…

 

娘が2歳の頃、親族が、自分が使ったフォークで娘の口にフルーツをあーん、してしまったことがありました。
そのとき私は隣で、あ、これもしかして…とドキリとしたんですが、「あ」と言う前に、ぱく、と口に入ってしまって、
もう事後だし、かなりためらわれましたが、事が事だけに、恐る恐る、
「あの、このフォークは…(白目)」と聞くと、
「大丈夫大丈夫…、アッ!」


その後は、重苦しい雰囲気のままお開きになりました…(ちーん)
私は、初めて止められなかったショックと、「どうして…」と「神経質なこと言ってすみません」という気持ちがグルグルして、しばらく後味が悪かったです。

 

 

同じようなシチュエーションで、別の親族が、娘の食事を冷まそうと、フーフーして口に入れてくれようとしたことがありました。
このとき、私は、前回目の前で止められなかった失敗と後悔を思い出して、今度は口に入る前に、奮い立ち、
「あっ、フーフーしない方が良いんじゃないですか!」と、言ったところ、
「えっ、そうなの、知らない!」


その後、フーフー済みの食事をご自分で食べて頂く事になってしまい、これも相当申し訳なかったです…。
このときの私は、今度は止められた達成感と、でも「神経質なこと言ってすみません」という気持ちで、やはり後味は悪かったですね。

 

誰も得しないやつです。何でこうなるんだろう。

 

人それぞれの価値観 〜尊重すべきは?

虫歯菌にどの程度気をつけるべきか、という話で、「口に入れたお箸ならともかく、フーフーまでは気にし過ぎだ、喋るだけでも唾液は飛ぶんだから全ては防ぎようがない」という意見も、何かで読んだことがあります。

 

まず、これに納得できる人もいると思います。
そして、個人的には、「唾液が口に入らないようにすべき」と教えられたからには、
「いやいや、でもフーフーに少しでも唾液が入るなら気をつけた方が良いんじゃないの?」と思うし、そういう人は他にもいるだろうな、とも思います。
世の中には、唾液多めのフーフーだってあるし(笑)

 

普段の生活では菌は見えないからこそ、どこまで気にするかは人それぞれ、にならざるを得ないのではないかなぁ。

気にする程度が、それぞれ違うだけなんだから、互いに「そうなんだ」と対等な関係でほっとけば良いと思うのですが、
大体「こっち派」の方が、真面目だ、気にし過ぎだ、神経質だ…などと、なぜだか気を遣ったり、肩身の狭い思いをしている気がする。


(ちょっと逸れるけど、学校教育の場面でも、真面目な子より、真面目じゃない子の方が、のびのびしていた気がする。)

 

その上で、「人それぞれ」となると、もっとも尊重されるべきは、その子どもに対して責任を持っている人、つまり親の判断、になると思います。

虫歯菌がしばしばトラブルを生む要因は、親が虫歯菌に気をつけているのに、
前述の我が家のエピソードのように、周りの人が、注意を払わずに気軽に手を出して失敗したり、
場合によっては、「そんなに気にしなくても」「神経質になって怖い」などと平気で口を出したりすることだと思う。

 

虫歯菌問題の影に隠れてるもの

でも実は、問題は、虫歯菌の有無、だけじゃないんですよね。
つまり、その子どもに対して責任を負わない周りの人が、親の子育てを尊重しない、または、否定すること

そういう環境下で、そういう人との間では、虫歯菌に限らず、後々になっても、色んなトラブルが起こると思う。
勝手にお菓子やおもちゃを与えるとか、しつけに口を出すとか、無断で外に連れ出すとか、まあ色々。

もしかすると、虫歯菌問題の影には、そういう、まだ見ぬトラブルや、事故も隠れているかもしれない。
「親の子育てを尊重してくれない」という、それらの根っこは同じだから。

親の側がどんなに気を遣っても、またあの、「そんなに気にしなくても」「神経質になって怖い」を、何か事が起こるまで、聞くことになるでしょう。

でも、やっぱり何か起こったときに責任を取れるのは親だけであることを考えると、親自身が良くない・危険だと感じたときに、気にしなくて良いのは、「そんなに気にしなくても」という声の方だと思います。

誰も責任とってくれないし、とれません。と思っています。

 

見えないけど 〜誰かの日記帳を破るのか

加えて、虫歯菌問題をより深刻にするのが、虫歯菌を気にする親たちが、生まれてから365日24時間お世話をしながら気をつけてきている、という点。
食事も何百回。すごい長い時間と労力の積み重ね。
それを、周りの人が、たった一度の遊びとか食事とか、たった数時間で壊そうとするのは何なんだ…。

 

例えるなら、誰かが毎日コツコツ書いた日記帳を、他の誰かが、つまんねと言ってビリビリに破ってしまったら、書いた人はメチャクチャ怒って当然だと思うし、破った人にとっては価値がないかもしれないけど、そりゃ破った人が悪い、となる。

 

でも、こと虫歯菌となると、コツコツ守ってきたものが崩れ落ちるのは同じだし、より大事な子どものことであるのにも関わらず、虫歯菌をつけられた方が、指摘しづらかったり、怒るなんて神経質~と言われることになりがちな気がする。

そりゃ「たかが」虫歯菌が、大きな遺恨を残すことだってありますよね。

 

別に内心では、虫歯菌なんて大したことない、と思ってても別に良いと思います。人それぞれ。
ただ、それでも、他人の大切にしているものは、壊してはいけない。壊さないように、互いに気をつけないといけない。
目に見えるものも、見えないものでも同じ、だと思います。

それは、つまらないけど、誰かの「大事な日記帳」かもしれません。

 

そんな訳で、いっそ虫歯菌が目に見えてくれたら、世の中平和になるんじゃないかなぁーと何度思ったことか…。
やっと娘が終わったーと思ったら、次は、息子が控えているんですよね…(震)