ピコ太郎とロキシー・ミュージック【トランプさん晩餐会】
ピコ太郎さんが、トランプ米大統領を迎えた安倍首相主催の晩餐会に出席し、またもや世界を席巻しています。
ところで、ピコ太郎さんの代表曲「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」を初めて聞いて以来ずっと、ロキシー・ミュージック(RM)のヒット曲「ラブ・イズ・ドラッグ(LID)」(1975年発売のアルバム「サイレン」に収録)と雰囲気が似ているなあと気になっています。RMは70~80年代に活躍したイギリスのバンドです。
共通点はどこにあるのでしょうか。まずはそれぞれのミュージックビデオを見てみましょう。
まず見た目。目に飛び込んでくるのは、独特のコスチュームですね。RMボーカルのブライアン・フェリーは片目パッチでうさんくさすぎてかっこいいですね。対するピコ太郎さんも負けていません。アニマルプリントに身を包み、田舎の筋の悪い土建屋みたいなサングラスがうさんくささを際立たせます。
次に音楽面。いずれもリズムがいいですね。自然に体が動いてくるようなノリの良さがあります。グルーヴ感がすばらしいです。「グルーヴィー」というやつですね。
LIDはベースラインが特徴的です。ギターのカッティングは、リズムを刻んでいるようで、曲に味を付けているようで、ぞくぞくするようなうさんくささを感じます。全体的にソウルっぽい香りもするし、どこかディスコチックでもあります。
PPAPはテクノ。シンプルなリズム感が老若男女を引き付けるんだと思います。
そういえば、「関ジャム」ではトーフビーツさんが、PPAPのカウベルの音の使い方をほめていました。
「カウベル」とは、もともとは牛など家畜の首に付ける金属性のベルのことで、打楽器として使うこともあるそうです。ピコ太郎さんは、このカウベルの音を実際のベル(打楽器)を鳴らして録音するのではなく、80年発売の知る人ぞ知るリズムマシーン「TR-808」で音色を再現したのだとか。
トーフビーツさんは「この音色とカウベルの音量を聞いて、DJ諸氏はピコ太郎が只者ではないと感じたはずです」と話していました。
番組でトーフビーツさんは「ミュージシャン本職からピコ太郎批判を聞いたことがない」というようなことも言っていたような覚えもあります。
ということで、PPAPは2016年の楽曲でありながら、80年発売のリズムマシーンを使っているため、75年のLIDに時空を超えて近づいた感じがしてきました。LIDとPPAPのブラックミュージックな感じを掘り下げていけば、どこかで交わるのかもしれません。