コミュ障夫婦が戸建てで子育て

途方にくれた夫婦が、小さな新興住宅地で、気難し屋の一男一女と暮らしています。周りを気にし過ぎてしまうあまり、周りは気にせず楽しく暮らす!と躍起になる妻と、趣味は音楽と読書で割と色々協力的な夫の日々。

主婦だけど、山尾志桜里議員の「むき出しの好奇心になど屈しない」にイラッとしたので、その理由を考えてみた。

山尾志桜里衆院議員が、不倫疑惑を報じられた相手の倉持麟太郎弁護士を、事務所の政策顧問に起用するそうです。

神奈川新聞のインタビューに方針を明かす中で、「むき出しの好奇心になど屈しない」などとも語ったといいます。

 

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「むき出しの好奇心になど屈しない」。なんかイラッとしたので、その理由を考えてみました。

 

 

当選したら疑惑は「シロ」?

彼女は「不倫はしていないから認めるわけにはいかない」という姿勢を貫き、当選しました。

選挙期間中の街頭演説でも、交際疑惑について、有権者に「疑いをかけられるようなことをしたけどキャリアに期待する」と諭されたのに対し、「してないから。仕事で返します。信じて(私を)使ってください」

と、全面的に否定したといいます。

 

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さらに、当確後の会見では、疑惑について、

「必要な説明はし、公私のラインを引き、その上で公の山尾志桜里としては消費増税憲法9条改憲について自分の意志を明確に示し、一定の信任を得たと思っている」と語りました。

 

www.nikkansports.com

 

ロジックへの違和感

「不倫をしていないから謝罪はしない。それでも当選したから、私の主張は認められた」というような彼女のロジックは、ある程度は理解できないこともありません。

 

山尾さんは検事出身です。男女関係の有無など立証することができないのも分かっているから、「謝罪はしない」と強気に出ることもできたのでしょう。

 

しかし、有権者は、一票を入れた、当選したからといって、別に、「彼女は潔白」と認めたわけではない。
それこそ、プライベートは関係なく、政策に期待して入れた人もいるでしょう。
自民党はイヤ。山尾の方がマシ」という理由で入れた人もいると思います。


にも関わらず、選挙後、相手の弁護士を事務所の政策顧問に起用するというふるまいには、違和感を感じます。

まるで、「プライベートの潔白も認められた」かのようなふるまいです。

少しロジックに頼りすぎて、まるで、「一定」どころか、「全て」について信任を得たかのように錯覚していないでしょうか。

 

「一線越えたか」はどうでもいいけど

先のインタビューで、山尾さんは、男女関係の有無を聞かれることについて、「政治家としての私を評価する上で、一体何の判断基準になるというのか」と、マスコミに対する逆批判を展開しています。

個人的にも、男女関係の有無については、別に説明してほしいとは思いません。

ではなぜ、相手弁護士が政策顧問になるということに、違和感を感じるのでしょうか?

 

山尾氏は、妻が療養中で不在の弁護士宅に宿泊したとも報じられています。

www.sankei.com

 

先のインタビューで、山尾さんも「不注意な行動は背負っていく」と言っていますが、例え男女関係がないにしても、限りなく不貞を疑われる、また、公人としてもふさわしくない行動といえるでしょう。

 

有権者の目が「いやしい」のか?

なので、本当のところ、有権者は、

「奥さんの留守中に家の中に入る関係は、限りなく怪しいよね。だめだよね。」という、当然といえば当然の冷めた目を、何となーく向けたままの状態が続いている。

 

それなのに、選挙に勝った彼女は、そういう有権者の目を、マスコミ批判という名目で、軽視しはじめた。

それどころか、「むき出しの好奇心」発言は、そういう有権者の目を、

まるで「私は裁判で勝った、恥じ入ることのない人間なのに、疑う人間の方がいやしいのだ」と、逆に非難するようなものではないでしょうか。

イラッとするのは、自分がしょーもないことをしたのを、完全に棚にあげているからです。

 

そして重要なことは、多くの有権者が彼女のスキャンダル報道を注視した理由は、

「自分はゲス不倫の人を批判しておいて、野党第一党の幹事長になろうという大事なときに、一体この政治家は何をしていたのか」という点ではなかったでしょうか。

別に、女性としての彼女や、「一線越えたかどうか」に好奇心があるのではなく、いやしいスキャンダル報道をとおして、この政治家ダメだなぁ、とあきれていた。(しかしその結果、今回、信任が他の候補をより上回っただけ。)

 

しかしエリートゆえでしょうか、彼女は世間を相当見くびっているように思えます。

 

女性政治家だから好奇の目にさらされる?

先のインタビューで、彼女は、日本では「女性政治家が社会の好奇の目にさらされる」などとも述べています。
このような、女性であることを言い訳にする言動が、女性政治家の価値をおとしめると気づいてほしい。

それ、自分が「不注意な行動」をしたときに言ってもダメなやつだよ…。

 

「してないから信じて」とは何だったのか

それに加えて、彼女は、(先のインタビューで、)当選してから、「男女関係の有無についても答える必要はなかった」などと言い出しました。

そう考えているなら、有権者に「してないから」と言ってまわったのは、選挙戦を勝つための方便だったのでしょうか

「数に勝ったら自分のやりたいようにやる。説明責任はないのか」。

これは、野党が森友・加計問題などについて、安倍首相を批判するときの決まり文句ですが、今後、山尾氏はこの手の批判をすることができるのでしょうか。

 

その安倍首相は東京都知事選で、聴衆から「帰れ」「辞めろ」コールを浴び、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言って叩かれたことがありました。

しかし、「むき出しの好奇心」発言は、実は、もっと幅広い私たちに向けられた、もっとさげすんだ発言のように思えてなりません。

  

スキャンダルを通して見えるもの

ただ、私は個人的に、政治家のプライベートにはあまり興味はないです。良い政策を実行してくれそうな人に投票したいと思います。
しかし、いくら良さそうな政策を唱えていても、その政治家の人格が信用できなければ、その実現性は怪しいし、投票には至らないでしょう。

(まさに、イメージビデオや「リセット」など言葉の小手先で扇動しようとした、希望の党小池都知事は、あっという間に見透かされました…)


その意味で、ガソリン問題の時や今回の一連のことでは、

「自分のことは棚上げ感」を強く感じるし、山尾さんこそ、もし総理大臣になったら、有権者軽視、傲慢、数で押し通すタイプではないのか?と疑念をもたざるを得ません。

政策が良ければ、別にプライベートでよろしくやってくれても良いけど、スキャンダルへの対応を通して、政治家としての資質が透けて見える気がします。

簡単にいうと、ちょっと感覚がおかしい人には国は任せられないよね、です。

 

現時点では、山尾さんに対してそこまでの「好奇心」もない有権者からは、

「リスクをおかしてまで疑惑の相手を政策顧問にするなんて、『やっぱり、相当好きなんだね』」程度にしか、相手にされていないんじゃないでしょうか。

 

www.kanaloco.jp

 

結論。できるのなら、是非やってほしい。

山尾氏は、「むき出しの好奇心」インタビューの続きで、

改憲・護憲の従来型二項対立から脱却し、より立憲的な憲法を目指し、野党こそが先手を打つべきだ

と訴えています。

「より立憲的な憲法」をつくることが自分には可能で、それには相手弁護士が不可欠。山尾氏がそう信じているとすれば、早急に成果を出し、「むき出しの好奇心」を黙らせてほしいものです。

 

結論として、できるのなら、是非やってほしい。と思っています。

ただ、考えは立派ですが、そこに至ることができない政治家が多いことを考えると、現実問題として、政治家に「私事」は全く関係ない、とは言い切れないようです。