コミュ障夫婦が戸建てで子育て

途方にくれた夫婦が、小さな新興住宅地で、気難し屋の一男一女と暮らしています。周りを気にし過ぎてしまうあまり、周りは気にせず楽しく暮らす!と躍起になる妻と、趣味は音楽と読書で割と色々協力的な夫の日々。

【トパーズ・ラブ中編】なぜ妻は30代にして初めてキンキキッズのCDを買ったのか【NHK「SONGS」まとめ】

なぜ妻が30代にして初めてキンキキッズのCDを買ったのか、理由を紹介する記事の続きです。

 

前編はこちら↓

kodate-kosodate.hatenablog.com

 

 「トパーズ・ラブ/デスティニー」を購入するにあたって、最も大きな動機付けになったのが、キンキキッズを特集したNHK「ソングス」でした。

タイトルは「キミが隣にいなかった夏」。

「キミ」とは「剛」であり、「光一」。あるいは「ファン」。

番組は、2人のインタビューを中心に進みました。

力が入ったせいか、ほぼ番組内容のまとめ(matome)になってしましました。

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発病

CDデビュー20周年という節目の年に、左耳が「突発性難聴」に襲われ、入院を余儀なくされた剛さん。

剛さんは番組で、病気の症状について、「急に水に潜ったようなみたいになった」と振り返りました。

退院はしましたが、治りきっておらず、「右耳だけで歌っている」状況だと言います。

 

剛さんの告白に対し、光一さんは「どういうものか分からない」「本人にしか分からないこと」「僕がどうこうするっていうのがなかなか難しい」と語りました。

 

夫、光一さんに鷲づかみにされる

夫は「『硝子の少年』といえば山下達郎のデモボーカル版」が自論。

ただ妻に付きあって視聴していたはずなのに、「心を奪われて」しまいました。最初に心を奪われたポイントは、先の、剛さんの病状説明を受けた光一さんのコメントでした。

夫は、「病気を自分の痛みとして受け止めて」というようなことを言わないところに好感を持てると話します。「うそ臭さがないね」と。

妻も、「もう互いに確立してる感あるし、相方としての感情より、プロとしてのコメントが先に来るのかなぁ?」と応じました。

 

 

ピンチヒッター

剛さんが入院したのは6月21日。デビュー記念日の7月21日まで1カ月を切っており、多くの歌番組の出演が決まっていました。

 

1人での活動を余儀なくされた光一さんに、トキオ(TOKIO)の長瀬智也さん、嵐からは松本潤さんと相葉雅紀さんがピンチヒッターを買ってでてくれました。長瀬さんとは「全部抱きしめて」、嵐の2人とは「愛されるよりも愛したい」をそれぞれ熱唱しました。

 

光一さんたちが共演したスペシャルな番組は、当時、たまたま我が家でも観ていました。

妻が、しみじみと言っていたものです。「これ、『ぼくらの勇気未満都市』だね…みんな必ず毎週観てたし、ビデオに必死で録画してたよ…成長したね…モリ…」と。

夫はたずねたものです。「それは何目線なの?親なの?伯母なの?血縁のない、近所の世話焼きのおばはんなの?モリって?」と。

やはり世代的に、妻は彼らを、長い付き合いのある、どこか身近な兄ちゃん的存在に感じているようです。そういう方は多いのかもしれません。

 

夫、光一さんに共感

「『剛です。光一です。2人合わせてキンキキッズです』。洗練されたキンキの2人はこんな言い回しはしていないだろうけど、『キッズ』っていうぐらいだから、お互いに辛い時期だったんだろうね」。夫が左耳をほじりながら言いました。

妻が「なんで左耳をほじってるの?」とたずねると、夫は「剛さんは左耳が聞こえ難いんでしょ?同じところに触れるとちょっとシンクロするフィーリングもあるかなと思って」と答えました。

 

恐怖というよりも孤独 

そんな夫に呼応するように、剛さんは当時抱いていた感情の種類に言及しました。「恐怖」というよりも「孤独」にさいなまれていたそうです。

 

妻、剛さんに共感

「『孤独』は具体的には語られてないけど、どういうものだろうね。私なんかが急に耳に異常が起こったら、『これ治るのかな』っていう怖さだけだと思うけど、アイドルとか人気商売になると、世の中から置いてかれるような恐怖の方が強いってことなのかな?」。妻は両耳を覆うようにして話しました。 

 

1人で守る

一方の光一さん。

長瀬さんたちへの感謝の思いを吐露しつつも、1人で歌う決意を固めます。「1人でもキンキキッズというものを守っていかないといけない」「自分に課す部分でもあった。1人で歌おうかなという思いもあって」と強く語りました。

 

しかし、1人で歌うことは、光一さん曰く、「違和感の塊」

いざ1人で歌うと「あ、この歌い方じゃダメだ」と気付くのだそうです。「2人で歌っているということを今まで全然意識してなかったけど、無意識の中で意識してたんだなあって」「『2人で歌うときはこうやって歌おう』という形があったんだなあっていうのは気づかされましたね」

 

妻、ボーカルスタイルを分析

夫はすでに画面を凝視するようになっています。「キンキの2人は凸と凹なんだね。夫婦だね。足りない部分を補い合うというか」

 

妻の口調も滑らかになってきました。

「光一は、剛の孤独を理解して、寄り添っているんだろうね。『長瀬と共演!』って聞いて私も『おー!』と湧き立ったけど、そういう必要なピンチヒッター以外に、お祭り的にコラボを続けていくことは、剛の心情を思うと『違う』って感じるのかもね」

 

さらに妻は続けます。

「キンキの歌い方って言われてみると、何かイメージあるよね。まず剛が歌い始めて、その次の光一の入り方。説明難しいけど(笑)、何かあるよ」

 

「『イメージ』って。また漠然とした言い回しを、、」。

夫がニヤニヤしていると、妻はデビュー曲「硝子の少年」を例に語り始めました。

 

「剛は『ツン』とした感じの、センスある感じで歌い出すんだよ。追いかける光一は、う~ん、なんか一生懸命なんだよ!」

 

「え~、『あぁっめぇえがぁあぁぁ♪踊るっぅ、ばすすとっぷっぅ♪』のところ?あれ、ちょっと、今、似てなかった??」。

妻の反応が皆無なので、夫は質問を続けました。

「剛さんが『ツン』なんだったら、光一さんも擬音語で表現してよ」

 

「うーん、、じゃあ、光一は『ギイッ』だね」と妻は言い切りました。

 

「『ゆうふぅびいぃにひかるぅゆびわぁ♪』のところ?『ゆびぃひわぁはぁ』かな?」。

夫はのどを押さえながら真剣に発声しますが、反応の薄さを感じ、本題に戻りました。

「なるほど。光一さんは、剛さんがいなくなったことで、20年かけて2人で築き上げてきたボーカルスタイルにも向き合わざるを得なくなったってことか」と言い、何やら納得した様子です。

 

中継パーティ

7月15、16の両日。とうとう運命の日がやってきました。横浜スタジアム。CDデビュー20周年記念イベント「キンキキッズ・パーティ!」です。

 

最大の懸案事項の一つが剛さんの出演方法でした。
剛さんに大きな音を聞かせることはできないので、ぎりぎりまで話し合いが重ねられた結果、剛さんは中継で参加することが決まりました。

 

光一さんはインタビューで、決断の背景を打ち明けました。

「20周年を迎えるにあたって、剛くんと2人でステージに上がるということが大前提として一番いいことなのは間違いない」と話します。一方で、「誤解を恐れずにいうと」と前置きし、「でもやっぱり耳が聞こえない状況で打ち合わせをしていく中で、剛くんが言っていたのは」と切り出し、剛さんの正直であろう気持ちを紹介しました。

 

歓声で自分の耳がどうなるか分からない

 

光一さんは続いて、剛さんやファンの思いを代弁するように、剛さんの言葉について考えを述べました。「自分がお客さん側に立ったときに楽しめないんじゃないかな。心配ばかりしちゃって。だったら一番負担のない形で中継でつないで映像で剛くんが出るという方が良い」

 

さらに、剛さんとの付き合いが20年以上になることにあらためて触れ、「彼だったら映像の中でも成立させられる面白さがあるはずという信頼もあった」と語気を強めました。

 

妻、想像する

「中継で参加??」。番組イントロ部分で中継画面に剛さんが映し出された映像を私たち夫婦は見逃してはいませんでしたが、ライブの醍醐味を半減させかねない試みの真相が明らかになり、驚きの声を上げました。

 

妻は、「ライブに行くってことは、本来、たとえマメツブくらい小さくても、抽選に当たって本物見られるってことだから、そこは可能ならば見たいよね…観客も。そこは分かっているだろうから、決断する前の葛藤は大きかっただろうね」と想像しているようでした。

「だけど、絶対成立させられるはず、という剛に対する信頼と、心配ばかりしちゃって楽しめないんじゃないかっていう、ある意味ファンに対する信頼があったんだね」。

 

 

顔プリントTシャツ

公演中、光一さんが裸になり、白いTシャツに着替える場面があります。(2人の語りはここまで、スタジオでのインタビューによるものでした。しかし、Tシャツ着替え場面からは、公演中のやり取りも2人の語りとして映し出されます)

 

観客とカメラに背を向けて着替えた光一さんが振り返ると、Tシャツにプリントされていたのは剛さんの顔でした。


中継映像の剛さんは「すげえいいTシャツ着てるやん」と言うやいなや、自身もTシャツに着替え始めます。


プリント柄は光一さん。針金のようにピンとしたサラサラ長髪をセンター分けしたスタイル。デビュー当時のものなのか、光一さんは恥ずかしそうに「なんなんだよ」と苦笑します。

 

映像は再びスタジオでのインタビューに切り替わり、剛さんが中継出演を振り返ります。

 

「会場の臨場感というのが、スピーカーも大きくしていたわけではないから、ダイレクトに伝わってくるというのは、やっぱうそになる」という語り、やるせなさがあったことをにじませました。

 

「自分が離れた場所でどんなふうに過ごせば会場に来てくれている人たちやわざわざ駆けつけてくれた人たちが楽しい思いになるのかなっていうことを考えて過ごしていただけで。『自分が光一の立場だったら』とか、『自分がファンだとしたら』っていうことも考えて、自分がどうしていればいいか、みたいなことを考えてやった、精いっぱいというか」 

 

夫、NHKを激賞

妻は「こういうこと(Tシャツ)をふたりがいつもやってるのかは知らないけど、特にこういう状況で『2人が想い合っている』っていうのを見せてくれるのは、ファンサービスなんだね」。

 

夫は、2人の語りを重層的に見せる構成になったことを指摘し、

「ちょっと前に、光一さんが剛さん目線とファン目線で語ってたじゃない?コンサートでのTシャツネタ語りを挟んで、次は剛さんが光一さん目線とファン目線で語る。『2人が想い合っている』というのがより際立つ番組演出になっているよね。NHKやるなあ。これはファンも嬉しいんじゃない?」

 

妻も、「二人とも、相方とファンのことを一番に考えてたってことだもんね」。

 

 

アニバーサリー

イベントの最後に歌われた曲は「アニバーサリー」。


愛する人が隣にいれば何気ない毎日が記念日」という内容を歌った曲で、大きな節目のライブでは必ず披露されてきたそうです。


剛さんがいないステージ。剛さんのパートは誰が歌うのか。

 

会場のファンでした。


指揮者のようないでたちの光一さんに促され、スタジアムに歌声が響き渡りました。

 

光一さんの自信

映像はスタジオでのインタビューに切り替わり、光一さんが自信に満ちた表情で語りました。

「20周年っていうのは、2人がステージに立って当たり前。だけどそんな(ステージに2人が立てない)状況でも20周年パーティーをやってしまう、そんなことできるのってキンキキッズだけじゃないかなという自信もあった」

 

保存版に

「中継」という出演方法に私たち夫婦がおおいに驚いたことはすでに書いた通りですが、光一さんの自信に裏付けられたものなのでした。よく考えてみると、記念ライブがあったのは昨年7月。成功しているから番組になっているのです。

 

逆に言うと、成功することは分かりきっているのに、結末は分かりきっているのに、私たち夫婦は番組に引き込まれてしまいました。「ライトなファン」と「『硝子の少年』といえば山下達郎のデモボーカル版」の2人なのに。

 

「ていうかこの『ソングス』の完成度はすごいな!保存版にしよう」

 

あくまでも一般人ファンの妻と、その付き合いで「ソングス」を見はじめた夫の意見が、まさかの一致しました。

 

なんと、番組を熱心に見すぎて、『トパーズ・ラブ』の話に行き着かないという事態が起こりました…。

 

あと、ちょっとだけ、続きます。

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