【「ウルトラマン空港」は3分間も存在できていない?】日本の空港に名前をつけてやる⑤【愛称一覧】
11月24日以来の「勝手に空港愛称シリーズ」です。
4回目は「地方管理空港・東北」編です。
以下、正式名称、所在地、通称・愛称の順で紹介します。
コミュ障ブログ提案の愛称は赤い太字でマーキングしております。
地方管理空港(東北)
青森空港(青森県青森市)
- 通称・愛称なし
空港本体には愛称がないのに、除雪隊には愛称があるんだそうです。その名も「青森空港除雪隊ホワイトインパルス」。
これは、拠点空港・特定管理地方空港「秋田空港」と同じパターンです(除雪隊に「雪戦隊なまはげ」という愛称があります)。
↓「勝手に空港愛称シリーズ」第3弾の記事で、秋田空港の愛称を提案しました。
kodate-kosodate.hatenablog.com
ホワイトインパルスは、東京ドーム12個分に相当する55万平方メートルを40分で除雪するそうです。
愛称は、航空自衛隊のアクロバット飛行を披露する専門チーム「ブルーインパルス」に由来しています。
隊列を組み除雪する様子がブルーインパルスに似ているということで、青森県が2013年度に命名したとのこと。
雪戦隊なまはげの命名は2017年度なので、ホワイトインパルスの方が早いですね。
今冬は全国的に雪が多く、欠航が続発していますが、青森や秋田はもともと豪雪地帯。雪が積もっても飛行機を飛ばせる空港づくりが欠かせないのでしょう。
というわけで、除雪隊の大切さを知っていくうちに、例えば「空港愛称は『青森ホワイトインパルス空港』で!」というようには易々と提案できなくなってしまいました。
しかし、勝手に空港愛称シリーズを始めた以上、愛称をつけないわけにはいきません。
ヒントを求め、幼稚園児きなこちゃんの絵本をめくってみました。
ありました。「三内丸山遺跡」です。
そういえば歴史の授業でも習いました。
三内丸山遺跡は、国内最大級の縄文集落跡です。青森には、三内丸山遺跡とはじめ、縄文時代の重要な遺跡が集中しています。
はじめに|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
私たちの住む青森県は、ヒバ・ブナなどの樹木に覆われた山脈が縦走する美しく豊かな自然に恵まれた地であり、我が国で初めて世界自然遺産として登録された白神山地は、地球上に残された最大級のブナ原生林を有し、太古の昔から変わらぬ自然が残っています。
この白神山地のブナ林は、縄文時代に形成されたと言われており、それを母なる森としながら、日本列島の北の地に、我が国の文明の扉を開いたと言うべき縄文文化が育まれました。
本県は、我が国最大級の縄文集落跡である特別史跡:三内丸山遺跡を始めとして、縄文文化の様相を今に伝える遺跡の宝庫であり、縄文時代の草創期から晩期までの各時期にわたる学術的に重要な遺跡が数多く存在しています。
本県では、これらの縄文遺跡群は、人類共通の貴重な宝として未来に残すべき文化遺産であるとの認識のもと、世界遺産登録を目指しています。
決まりました。青森空港の愛称は「青森縄文空港」です。
花巻空港(岩手県花巻市)
- 愛称は「いわて花巻空港」
- キャッチフレーズもあります。「イーハトーブの風にのって」だそうです。
- なんとイメージソングもあります。松任谷由美の「緑の町に舞い降りて」で、空港には歌詞のレリーフもあるそうです。
大館能代空港(秋田県北秋田市)
- 愛称は「あきた北空港」
特別異論はないのですが、「『秋田』ぐらいで漢字で読めるのに平仮名?「あきたきた?んん?『きた』が二つも?」「え?あきてきた?」と不思議な名前だなと思い、いろいろ調べてみると、「具体的な場所が分かりにくいため混乱が生じ、使用を極力控えている」との現状が浮かび上がりました。
例えば、秋田県大館市議会の議事録(http://www.city.odate.akita.jp/dcity/giji/files/2903kaigiroku03.pdf)です。
議事録によりますと、2017年2月28日の市議会一般質問で、相馬ヱミ子議員が「誘客促進を図るため、大館能代空港を秋田犬空港にしてはどうか」と提案しています。
相葉議員曰く、会派の行政視察で島根県出雲市を訪れた経験を紹介し、
私が特に驚いたのは、空の玄関口である出雲空港におり立ったとき、一番先に目に入ったのが縁結び空港という名称でした。これは一本とられたという思いと、カルチャーショックを受けると同時に大きなインパクトを感じました
と指摘しました。
さらに、
大館能代空港も果たして今の名称でいいのでしょうか。大館能代空港そのものの名称を変えることはできませんが、愛称として秋田犬空港にしてはどうでしょうか。どこの自治体も誘客促進を図るために、あの手この手で躍起になっているさなかであります。秋田犬を売りにしている大館市として、秋田犬空港という愛称に本当に私は期待しているところでございます。今こそ市長が先頭に立って、誘客促進と秋田犬のふるさと大館をPRするために立ち上がるべきではないでしょうか
と訴えます。さらに、秋田県議会では「秋田空港を『秋田犬空港』にして誘客を図ったらどうか」と質問した県議がいると紹介し、次のように訴えました。
秋田犬空港という名称は、どう考えても秋田空港ではなく大館能代空港のほうがふさわしいと考えます。それは、皆さん御存じのとおりハチ公のふるさとは大館であり、これを譲ることはできません
相葉市議にリーダーシップを求められた福原淳嗣市長の答弁は次の通りです。
空港の正式名称につきましては空港法に基づいて定められますが、愛称については公募等により空港の利用促進協議会などで決定されることになります。愛称を定めることにより知名度アップなどに一定の効果が期待されるため、大館能代空港においても開港当時、周辺11市町村が加入している大館能代空港利用促進協議会が、その愛称を「あきた北空港」としたものでありますが、具体的な場所がわからないなどの混乱が生じたため、現在はその使用を極力控えているところであります。愛称を秋田犬空港にしてはどうかという相馬議員の御提案につきましては、秋田犬を前面に押し出している本市や秋田県の政策の方向性とも合致するものでありますが、実際に愛称とするためには、市民の空港への思いの広がり、周辺市町村の思いの共有が何よりも重要であると考えております。周辺市町村や県との合意形成をきちんと見定めて今後とも積極的に進んでいただきたいと考えております。また、市長として、利用促進協議会の会長として、秋田犬を基軸に空港がこれまで盛り上がりを見せたことはなかったことですので、この機運をきちんと捉えていきたいと考えておりますのでどうかよろしくお願い申し上げます。
「秋田犬を前面に押し出している本市や秋田県の政策の方向性とも合致するもの」とポジティブな受け止めを打ち出す一方で、「実際に愛称とするためには、市民の空港への思いの広がり、周辺市町村の思いの共有が何よりも重要」と一般論にとどめたような印象もあります。
「秋田犬空港」が吠えることはあるのでしょうか。
庄内空港(山形県酒田市)
↓「勝手に空港愛称シリーズ」第3弾で「おいしい山形空港」の記事を書いています。
kodate-kosodate.hatenablog.com
福島空港(福島県石川郡玉川村)
愛称は「ウルトラマン空港」?
ネット上には思わず目を疑ってしまうような情報が転がっているものです。
地元紙・福島民報の2014年12月13日の記事には、福島空港の愛称を「ウルトラマン空港」とすることについて本格的な検討に入るとの記述があります。
同空港が特撮ヒーロー「ウルトラマン」を生んだ故・円谷英二監督の出身地・須賀川市に立地することから、地元からは愛称の命名を期待する声が上がっていた。県もこれまで円谷プロダクションの協力でウルトラヒーローを展示したり、「ウルトラマン空港フェスタ」を開催したりするなどして空港のイメージアップに努めてきた。
県は今後、県民世論調査や空港でのアンケートを通じて愛称に賛同が得られるかどうかなどを調べる。
「東日本大震災からの復興、観光誘客の一環」という目的に驚いたついでに、福島空港のホームページをのぞいてみると、常設展示があるようです。
しかし、ホームページを見る限り、愛称は決定していないようです。福島民報の記事に「『本格』検討」と書いてあるので実現性が高そうに思えますが、県民レベルで賛同が得られていないのだと思われます。
ホームページ全体をみても「愛称決定」の記述は見つかりませんでした。
現時点では、「ウルトラマン空港」は3分間すら存在できていないことになります。
愛称見送りの根拠になると思われる、「県民世論調査」や「空港でのアンケート」を探したのですが、見つかりませんでした。