昨日本質を見極められなかった息子の話
昨日本質を見極められなかった息子・もち太郎。今日は「お昼にホットケーキを食べる」と大暴れです。
もち太郎はホットケーキのことを「ホッキ」と呼びますが、今回はそのことは脇に置いておきます。「ホッキ」と呼ぶと食べ物のジャンルが変わるのになあ、と常々思っていることも脇に置きます。
はい。「ホットケーキ」の方の「ホッキ」の話でした。昼ごはんにはうどんを用意していたので、「ホッキは明日にしようね」と説得に入りました。
思い通りにならないと床に唾を垂らす(!)凶悪なクセがあるもち太郎。今日も御多分に洩れず(←この言い回し、教科書かなんかで初めて知った時、衝撃を覚えました。この話も御多分に洩れず脇に置きます)、唾を垂らしました。美味しいうどんができあがったキッチンの床に。
せっかくのうどんを拒絶し、唾まで垂らすもち太郎。二つの現実を受け入れられず、私は相手をするのをやめ、熱々のうどんの鍋を持って、ダイニングに退散しました。
「静かになるまで放っておこう」作戦です。
3分ほど経ったころでしょうか。キッチンから、ビニール袋が擦れるような謎の音が聞こえてくるではありませんか。
私もやはりひとの親。もち太郎のことが心配になり、キッチンに戻りました。「これはある意味で私の負けなのか」と独りごちながら。
威厳を保った表情でキッチンに入りました。
目に飛び込んで来たのは、難しい顔をして、キッズ用の踏み台に腰掛けた息子の姿でした。
ビニール袋が擦れる音はレジ袋でした。何かすっごく悪いことをしてやろうと思ったらしい息子が、落ちていたレジ袋を足で踏みつけて床に擦りつけているのです。
その横には、台風シーズン用に買い溜めたけど買い溜め過ぎて収納し切れなかったカップ麺が、8個ほど逆さまに積み上げられてタワーになっていました。
「テトラポットでたたずむ石原軍団のような顔しやがって」と思っていると、次第に、威厳を保った表情が崩れてきてしまいました。
崩れた態勢をどうやって立て直すか考えていると、もち太郎は堪えきれない様子で「ぷはっ」と吹き出しました。
二人は一緒に笑いました。
「仲直りしよう!」と腕を広げました。
息子は腕に飛び込んできました。
「もち!」「ママ!」。二人は抱き合いました。
まだ背の低いもち太郎は、つま先で一生懸命に立っていました。
「ママは、もちが唾をぐしゅうするから悲しかったんだよ。ごめん言って」
「ごおぉめぇん」
昼ご飯はうどんを食べ、ホットケーキは明日食べることで落ち着きました。
明日の「ホッキ」が楽しみです。