コミュ障夫婦が戸建てで子育て

途方にくれた夫婦が、小さな新興住宅地で、気難し屋の一男一女と暮らしています。周りを気にし過ぎてしまうあまり、周りは気にせず楽しく暮らす!と躍起になる妻と、趣味は音楽と読書で割と色々協力的な夫の日々。

【衆院選2017投票⑥】迷いに迷った総選挙で投票している最中に、なぜか「マイ・フェイバリット・シングス」の耳鳴りがしていた話

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総選挙が終わりました。
迷いに迷った総選挙でした。

投票所に行く意欲をあげるため、総選挙とは、民主主義とは何かを考えさせられる楽曲をピックアップする葛藤を、投票締め切り1時間前まで続けるという異例の事態でした。

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結論としては投票所には行き、貴重な一票を投じました。
歴史上の人物の名前も架空の人物の名前も書かず、立候補者名と政党名を書きました。
その人、あるいはその人が属する政治勢力が私の人生をより豊かにしてくれる確信は持てないままに、ですが。

 

では、私はなぜその人の名前を書いたのか。
恥ずかしながら自分で説明することができません。棄権を避けるためしょうがなく投票に行っただけというのが今回の実態ですので(そうすることで反対に未曾有の台風という危険に直面しましたが)、白状しますが、誰の名前を書いたのか記憶が薄れてしまっています。

 

しかし、自宅を出て投票するまでの間、どういうことか、「マイ・フェイバリット・シングス(私のお気に入り)」が頭の中で鳴っていたのははっきりとおぼえています。
ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の曲の一つですが、私に聞こえてきたのはジョン・コルトレーンのカバー版でした。

 

ジョン・コルトレーン「マイ・フェイバリット・シングス」

www.youtube.com

 

なぜ「マイ・フェイバリット・シングス」だったのか、なぜコルトレーン版だったのか分かりません。
歌詞を調べてみました。

薔薇に滴る雨粒と猫のおひげ(raindrops on roses and whiskers on kittens)
磨いた銅のヤカンと暖かいウールのミトン(bright copper kettles and warm woolen mittens)
茶封筒とひもにつつまれた荷物(brown paper package tied up with strings)

と次々とモノの名前を挙げて、

 そういうものがわたしのお気に入り(these are a few my favorite things)

と締めます。
このまとまりが3回繰り返されるのですが、その中には我が家因縁の家庭料理「シュニッツェル」も登場するんですね。

アベルとソリの鈴と麺を添えたシュニッツェル(doorbells and sleigh bells and schnitzel with noodles)

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なぜ頭で鳴ったのか分からないのですが、急に親近感が沸いてきました。

 

この歌詞の主人公が「お気に入り」を次々と挙げているのはなぜか。
答えは歌の結びで明らかになります。

犬にかまれた時(when the dogs bites)
蜂にさされた時(when the bee stings)
悲しい気持ちの時には(when i'm feeling sad)
お気に入りを思い出してみる(i simply remember my favorite things)
それだけでもうそれほど悪い気はしない(and then i don't feel so sad)

けっこう前向きな歌に聞こえます。狂犬病が消滅したとされる現代日本に生きているからそう感じるのでしょうか。しかし、スズメバチに刺されて死亡するという事故は最近増えている気がします。

 

我が家のお気に入りといえば、

  • シュニッツェル
  • 年数回の小旅行
  • スーパーで見つけたお惣菜の割引シール
  • ブダペスト
  • サラダチキンという名のゆで鶏

 一方で、悲しい気持ちになるのは、

  • 各種保険料が上がった時
  • 巨大地震に備えた対策に頼りなさを感じた時
  • 日本列島をミサイルが飛び越える時代になったんだなあとしみじみ感じた時
  • 年金をしこたま払っていても自分たちの老後にはほとんどもらえないんだろうなあと改めて自覚した時
  • たまにはぱーっと贅沢しようと思いついても団塊世代のようには勤務先の昇給も望めないことを改めて自覚し無意識に消費のブレーキをふんでしまっていることに気づいた時
  • 我が家が暮らすまち、あるいは日本がいつまで持続可能なのかと不安を感じた時
  • きなこちゃん(幼稚園児)ともち太郎(赤ちゃん)が大人になって平和で満足した人生を送ることができるのか不安を感じた時

こういう気分の時に「我が家のお気に入り」を思い出したところで、「それほど悪い気がしない」なんて心の状態にはなりません。

突き詰めると、「政治」に託すしかない。投票への悩みが尽きることはなさそうです。